癇癪はかなりストレスが多いもの
だと思います。
泣き叫ぶ、大声を出す、ものを投げる、
こういった行為は周りにも
危険が及んでしまうリスクだってあります。
そしてそれを抑えるために、
叱ったり怒鳴ったりと
やりたくなくてもやるべきだと
思っている方も多いと思います。
ですが、たくさん怒っても
この癇癪の原因を治さない限り
また繰り返してしまいます。
今日はこの癇癪の原因は何なのか?
いろんな原因がありますが、
確実に皆さんが見落としていると
言える事をお伝えしていきます。
癇癪が起きると発達障害を
考える人もいます。
もちろん不得意な事を
延々とやらされててしまうと
感情が爆発してしまうのは確かですが、
これは違います。
実はこれ「爬虫類脳」が
十分にまだ育っていないと言う事です。
そしてその育っていない原因は
「運動不足と爬虫類脳に制限をかけてしまっている親の意識」
になります。
癇癪の2つ原因
癇癪の原因は大きく分けて2つあると思います。
①爬虫類脳が発達途中
②感覚が発達途中
①爬虫類脳が発達途中
爬虫類脳?なんだそれ?
と思う方も多いと思いますが、
人間の脳は実は3層に分かれます。
それは爬虫類脳、哺乳類脳、人間脳です。
こちらの図をご覧ください。

玉ねぎは何層にも分かれて
一つの玉ねぎになっていますよね。
それが3層に分かれているというイメージです。
人間の脳に行くにはピラミッドの様に、
爬虫類脳の上に哺乳類脳、
最後に人間脳が来るわけです。
そして爬虫類脳は主に3歳まで急激に成長します。
肉体の5感覚脳とも言われます。
5感覚とは味覚、触覚、嗅覚、聴覚、視覚
といった感覚ですね。
体を健康に保つために
一番必要な基礎になりますが
特徴としては、食べる、寝る、身の安全を守る
と言った人間としてではなく、
生き物としての本能になります。
次に哺乳類脳は
4歳ごろから爬虫類脳とともに成長します。
喜怒哀楽や仲間意識の脳で、
視床下部から喜怒哀楽のホルモンが
たくさん出て感情につながるんですね。
最後に人間脳は論理的に考えたり
読み書き計算や何かを作り出す能力になります。
以上の事から爬虫類脳とは
大前提として食べる、寝る、
身を守る、興味がある事に没頭したい
と言った本能むき出しの脳ということになります。
そして脳神経は6歳ごろまでに急速に
増えていってその後、
必要ない神経は無くなったり
神経同士がくっついてより効率良い回路が
作られていくんですが、
爬虫類脳が育ちにくい状態と実は、
十分に運動をしてない事や、
親からの意識から生まれる声がけで
制限がかかっていると言うのが原因なんですね。
親からの声がけについては
例えば家の中で「走ったらしたらいけません!」
とか
「大声だしたらいけません!」
という禁止ワードを言っても言っても
伝わらないという事がよくあると思いますが、
これがなぜ良くないかと、
例えばその子が3〜4歳ぐらいだと
哺乳類脳がやっと育ち始めたぐらいで
爬虫類脳しかない状態で、人間脳を育てろ!
という声がけになってしまって
成長している爬虫類脳がフリーズしてしまい
成長にストップがかかってしまうんですね。
②感覚が発達途中
こちらの図をご覧ください。

これは発達ピラミッドといって
私たち理学療法士が使う
発達を促すための指標としている
ピラミッドなんですが、
癇癪というのは実は一番下の前庭神経
という所が関係しています。
というのも前庭神経は
耳の奥にある体の揺れを感じ取る
揺れセンサーなんですが、
このセンサーは自律神経にも
関係しているんですね。
この前庭神経(ぜんてい神経)も爬虫類脳になります。
自律神経とは交感神経・副交感神経という
興奮する神経とリラックスする神経なんですが、
この前庭神経(ぜんてい神経)
が過敏だと
少しの事でもイライラしてしまったり、
不安になってしまったりするんですね。
例えばロッキングチェアに乗っているときと、
ジェットコースターに乗っている時を比べてみます。
どちらも座っている状態ではありますが、
ロッキングチェアのような揺れだと、
うとうとリラックス出来ると思いますが、
これが自律神経の副交感神経が働いている時です。
逆にジェットコースターに乗っていると
心臓はドキドキして興奮しますよね。
これが交感神経の働きになります。
癇癪が起きやすい子というのは
この揺れセンサーが過敏に反応してしまい
「怖い」、「怒る」、「落ち着けな」
という事が起きています。
その結果、テンションが高くて寝れないとか、
すぐに怒ってしまうという状態になるんですね。
という事で癇癪が起きてしまう原因は
「そもそも爬虫類脳で本能が全開の時に
人間脳を育てようと初めてストップしてしまっている」
という点と
「揺れセンサーの前庭神経が発達途中」という事です。
改善方法
爬虫類脳の改善方法は大前提、
運動をたくさんやらせてあげると言う事です。
運動は大きく分けて
①バランスをとる動き、
②歩いたり走ったりと体を移動させる動き、
③道具を使う動き
など3つのカテゴリーがあります。
家でゲームする、
テレビを見るといった遊びではなく、
体を動かすことであれば何でもOKですが、
その中でも、揺れセンサーの
前庭神経を育てるためには、
①と②の揺れる遊びをやるのがポイントになります。
例えば、シーソーやブランコ、
コーヒーカップみたいに
回転する動きもおすすめです。
それが難しい場合は、
あぐらをかいた状態で
膝の上に乗ってもらってゆっくり揺れるだけでも良いです。
たくさんやらせてあげて
不得意な運動にも少しずつ挑戦してみましょう。
また爬虫類脳の成長を
制限してしまう事については
「○○したらダメ!」と言う声かけから、
家にいる中では騒ぎすぎるのは良くないので
遊べる時間にたくさん遊ばせる、
運動させる時間をとってあげましょう。
安全だけ見守ってあげて
自由に遊ばしてあげるのがベストですが、
難しい場合は、水泳や、体操教室
など全身を使う運動など
その子の興味がある運動を
やらせてあげるのが良いです。