今日は「自閉傾向で水頭症の子にできる体幹運動は○○」
というテーマでやっていきたいと思います。
質問を頂きました。
児童発達支援事業所に通っている子で
水頭症で、手術をしていて自閉傾向もある状態です。
体の動きとしては指先が不器用さや発語の遅れ等があります。
制限がある運動もあり、
大きく揺らす、ぐるぐる回る、ボールを使った運動等は難しく
体幹も弱く、空間認知も弱いです。
体幹筋力をつけるにはどうすればよいですか。
という質問を頂きました。ありがとうございます。
それでは回答と解説をしていきます。
水頭症という疾患からどういう風なアプローチがあるか悩むと思います。
質問自体はレアケースです。が、この問題の解決策はあります。
そして、その解決方法の中には、発達障害のお子さんを抱えるお母さんがた
みなさんに共通して役に立つマインドが含まれているので、是非最後までご覧ください。
回答としては、この子の場合、
水頭症という疾患も重なっている事や体幹が弱いという事から
低緊張に分類される可能性があります。
また自閉傾向という事から好きな事への興味はあるけど、
興味がないことも多くあります。
発達をするきっかけとしては新しいものや
知らないものに興味を持つ事でその場所に移動したり、
それを取りに行き、手に取るという機会が
欲求や興味がきっかけになりますがそれが少ない状態です。
そして体幹筋力が不足している原因は大きく分けて2つあります。
1つ目はシンプルに 運動の機会が少なく
体幹筋力を使う機会が少なく持久力不足。
2つ目は脳の筋肉に対する調整する能力が
少し緩めに設定されているという事。
まず水頭症は脳を守る脳髄液が増えてしまって
脳神経が圧迫されてしまっている状態です。
手術ではその圧を逃す為に
脳髄液を抜く手術をしているという状態かもしれません。
程度にもよりますが
その為、脳からの指令が筋肉に行きにくく
筋肉の調整が難しいという後者の状態かもしれません。
低緊張というのはズボンのウエストの
ゴム紐が 元々緩く設定されている状態の事で
普通が100だとすれば80ぐらいの設定で低緊張、
逆に 120の設定で過緊張と呼ばれます。
この状態は生まれた時からある特性で
この設定された数字をいきなり上げる事は難しいですが、
筋肉や骨の成長とともに徐々にカバーされていきます。
次におすすめの体幹運動です。
次のメニューをやって頂くと体幹を鍛える事が出来ます。
このメニューはレベル別で紹介していきます。
レベル2では
四つ這いをキープしたり、
四つ這いで好きなおもちゃを取りに行く事で十分体幹を鍛える事が出来ます。
四つ這いのポイントは距離だったり、方向転換をする事で
より体幹を刺激できるので、直線やカーブを意識してみましょう。
レベル3では
次に立位が難しいのであれば、まずは座る動作から始めます。
背もたれがある椅子を使ってまずは座って好きな遊びをやってもらいます。
それが出来る様になったら背もたれがない椅子で取り組んでみる。
座る動作でぐらつくのであれば、大きな揺れだと
尚更揺れバランスが取れなくなってしまうので、注意しましょう。
レベル4では
次は立てる事が可能であれば、テーブル等で掴まり立ちになり
手の運動やおもちゃを使ってみてください。
この時、足の筋力がまだ不十分でぐらつきがある場合は、
肘や前腕を机に付く事で行いやすいです。
下肢の筋緊張が高かったり、足の裏がしっかり地面につかない場合は
下肢装具の検討も必要ですので各医療機関に相談してみましょう。
ポイントはいきなり苦手な事に挑戦させると
運動が嫌いになり今後の精神状態にも影響するため「楽しい!」を大切にしましょう。
そして目標は大きな目標ではなく、小さな目標でOKです。
四つ這いで5歩移動する事や、10秒座位保持をするでもOKです。
以上の事で体幹を鍛える事が出来ます。
その他にはこういった運動があるので是非やってみてください。
因みにレベル1は寝ていても体幹作りが出来る様なものになっております。
Youtubeに動画を載せていますので是非見てみてください。
そして運動の発達には筋肉が発達する前に
神経が増えていきその後に筋肉が発達していきます。
その過程は3~4週間です。
まずは成功体験を積む為の
スモールステップで進む事がとても大事になってきます。
そしてまずはその子が興味がある事が
何なのかを知ってもらい、その興味を使って運動する事をしましょう。
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